中国版YOUTUBERワンホンとワンホン経済の実態についてのメモ。

ワンホン(綱紅)とは

2016年、動画共有サイトなどに映像をアップする中国版ユーチューバー(=網紅)の市場規模が1兆円に達する。

それ以降、中国では網紅(ワンホン)経済」という言葉が誕生した。

綱紅の「網」は中国語でインターネット、「紅」は中国語で「大人気」という意味を持つ。

代表的なトップ網紅は「薇婭」(ウェイヤー)と「李佳琦」(リ・ジャーチ)の2人。

トップ網紅の1人、薇娅(ウェイヤー)「1日の売上でマンションが1つ買える」と言われるほど影響力を持つ。

11月11日の独身の日セールでは2.67億元(約41億円)の商品を売った。その金額は埼玉県越谷市にあるショッピングモール「イオンレイクタウン」の年間売上に相当する。

ワンホンとマルチチャンネルネットワーク(MCN)

2016年3月に網紅のPapi醤(パピちゃん)が1200万元(約1.8億円)の出資を獲得した。

Papi醤は、春雨听雷(パピチューブ)を起業、現在1.2億元(約18億円)の企業価値を持つ。

Papi醤の成功から、他の網紅も独自のMCN企業(Multi-channel Network)を設立するようになる。

MCNとは、Multi-channel Network、動画投稿者(YouTuber)のタレントマネジメントおよびメディア制作・配信をサポートする組織の総称、YouTuberをサポートする組織の総称。

YouTubeによるMCNの定義は「複数のYouTubeチャンネルと提携し、視聴者の開拓、コンテンツのプログラミング、クリエイターのコラボ、デジタル著作権管理、収益化、営業等のサービスを提供するプロバイダーを指す。

中国のMCN産業には、7つの業態がある。

  1. コンテンツ生産
  2. コンテンツ運営
  3. セールスプロモーション
  4. ネット通販
  5. ディ―ル(取引き)
  6. 知的財産権(版権)の確立
  7. 知的財産権の販売

キー・オピニオンリーダー(KOL)

ミレニアル世代が中国のラグジュアリー製品市場の主軸となりつつある。この世代の消費傾向は「KOL(キー・オピニオンリーダー)」に大きく影響されている。

日本でいえば、特定の分野の人にのみ影響力を持つマイクロインフルエンサ―と少し似た位置づけである。

中国のKOLは多くのフォロワーを持ちつつ、高い専門性を持っている。

紅網経済の発展に伴って、Eコマースプラットフォームが、購入につながるアイデアをKOLの手法から借りるようになってきている。

KOLはセルフメディアで「遊ぶ」ことを覚えた好奇心の強い人々、誰より早くユーザーになる、いわばアーリーアダプターという位置づけである。